リオ・ビゴーテ渓谷の中心

「コオペラティブ・ノランディーノ(Cooperativa Norandino)」のカカオ生産者コミュニティは、アルト・シエラ山脈の斜面にあるボスケ・デ・ニエブラを源流とする川があるリオ・ビゴーテの渓谷に位置しています。

「コオペラティブ・ノランディーノ(Cooperativa Norandino)」のカカオ生産者コミュニティは、アルト・シエラ山脈の斜面にあるボスケ・デ・ニエブラを源流とする川があるリオ・ビゴーテの渓谷に位置しています。アマゾンの熱帯雨林からの温かく湿った空気が、アンデス山脈を越えて太平洋からの冷たい空気と混ざると、森のような濃い霧が発生します。発生した霧の湿気は木の葉の上で水滴となり、乾季の期間中、ビゴーテ川に流れ落ちます

リオ・ビゴーテは、ボスケ・セコ川に覆われた渓谷を灌漑しています。長い乾季と雨季を繰り返すこの環境は、多くの動物や植物の固有種を構成しています。

リオ・ビゴーテ渓谷の中心

極めて稀な白いカカオ豆「グラン・ブランコ」

ピウラ地方で栽培される特徴的な白いカカオ豆は、すぐに見分けることができます。ペルーのモロナ川とサンティアゴ川のほとりにある、アマゾン熱帯雨林に生息しているこの白いカカオ豆は、エクアドルのアリバ・ナシオナル種の近縁種です。インカ帝国前の陶器には、カカオ豆が数世紀前にペルーの北海岸より先住民族のモチェ族が持ち込まれたことを表しています。この白いカカオ豆は、アンデス山脈に流れる川から灌漑されたシエラ・デ・ピウラの乾燥地帯の中にある緑豊かなオアシスで育っています。この品種のカカオ豆は、生産性の高い国際的なクローン種を国内に広めた、2000年代に行われた反コカ栽培プログラムの被害を受けました。

2008年に「コオペラティブ・ノランディーノ」は、「ピウラ・ブランコ」を保護するための3ステップ・プログラムの展開を開始しました。最初に、白いカカオ豆が100%なるカカオの木を農園と自然の中から特定・選別し、4年わたり、そのカカオ豆の生産性や味わいの可能性を評価し、そして、クローン種に代わるピウラ地方の白いカカオの豆の栽培・流通を促進します。

2013年に、ヴァローナは「コオペラティブ・ノランディーノ」との5年間のパートナーシップを締結し、ラ・ケマソンの温室農園の資金援助を行うことで、ピウラ地方のカカオ豆を保護するプロジェクトを支援しました。このプロジェクトで選別された8本のピウラ地方のカカオ豆の木は、品種保護のためと純粋種の苗木をピウラ地方の生産者に配布する目的のために、栽培されています。

「ピウラ・ブランコ」は、数多くの国内・国際的なコンテストを受賞しており、ラ・ケマソンで栽培されている「グラン・ブランコ」は、パリの国際コンクールの「カカオ・オブ・エクセレンス 2021」で銀メダルを受賞しました。

カカオ|グラン・ブランコ

献身的な協同組合

2005年に設立された「コオペラティブ・ノランディーノ」には、ペルー北部の7,000以上のカカオ、コーヒー、黒砂糖農家家族が所属しています。所属家族の生活環境の向上をミッションに、国内および国際市場へのアクセスを提供しています。「コオペラティブ・ノランディーノ」は、透明性、公平性、敬意、説明責任、民主性、サービスの品質という基礎的な価値観を原動力としています。現在、所属している全ての生産者は、フェアトレード認証とオーガニック認証を受けています。

「グラン・ブランコ」の独占

全ての生産者の区画はマッピングされており、栽培されている全てのカカオ豆が区画ごとに追跡することができます。アグロフォレストリーの技術に則って、カカオの木は果樹や森林の木と一緒に栽培されています。

「コオペラティブ・ノランディーノ」との関係は、品質とサステナビリティに関する想いを共有していることから、2010年代の初めに始まりました。2013年に締結したパートナーシップにより、在来の「グラン・ブランコ」のカカオ豆の品種を共に保護する活動が行えています。以来、ヴァローナはラ・ケマソン、バジェ・シングアテ、ロス・ランチョスのコミュニティで栽培されている「グラン・ブランコ」の独占権を保有してきました。アンデス山脈の麓のピウラ砂漠の端に位置しているこの3つのコミュニティは、協働してカカオ豆の発酵と乾燥を行っています。

また、ヴァローナは、「コオペラティブ・ノランディーノ」とのパートナーシップを深め、サン・フアン・デ・シタリ、サン・ホセ・デ・シサとウイコンゴのコミュニティが栽培するカカオの供給を拡大しました。2021年には、10年間のパートナーシップの更新を行っています。

カボス

2013年

コミュニティ開発を支援する社会ファンドの設立

2015年

「グラン・ブランド」の苗床の創設

2016年

壊滅的な洪水を経験した生産者への経済的援助

2017年

ラ・ケマソンとロス・ランチョスのコミュニティにきれいな飲料水を提供

2018年

新しいカカオ加工センターを建設
100%の農園が地理位置情報で管理: ヴァローナが資金提供した生産者の栽培区画のマッピングプロジェクトが完了

2020年

ロス・ランチョスの幼稚園のカフェテリアを建設
ラ・ケマソンの給水ポンプに電力を供給するソーラーパネルを設置
新型コロナウイルス感染症に対応するために、食料品や医療用品を配布

2021年

ロス・ランチョスの乾燥機の改築
バジェ・シングアテに2個目の乾燥機を建設

2022年

エル・ドトール村に飲料水を確保
バジェ・シングアテで建物と倉庫を建設
3つのコミュニティのために、視力ケアのキャンペーンを実施